プロローグ


2005年夏。
私は、やることも特になくただ、ソフトクリームを食べながら商店街を歩いていた。
その時だった。
「どんっ!」
前を見ずに歩いていた私は、誰かにぶつかってしまった!
「す・・・すみません。大丈夫ですか?」
「ご、ごめん。悪気はなかったんだ。」
相手の顔を見てビックリ!!
なんと憧れの祥児君だったの!!
もう、私は急に恥ずかしくなって
「ご・・・ごめん。私も悪かったから・・・・」
私はただ謝るしかなかった。
「でも・・・・あっ、服にソフトクリームついてるよ」
私は、祥児クンの服を指差しながら言った。
「あっ、本当だ。でも、いいよ、どうせ今から家に帰るところだったし。」
「そ、そうですか?ならいいんですけど・・・」
そういって祥児クンは家に帰っていってしまった・・・・・
今考えたら惜しいことをしたなぁ〜
せっかく祥児君とたくさん話せるチャンスだったのに・・・
そして、私の夏休みは終った。


〜第一章〜
2学期初日朝。
クラスのみんなは、久しぶりに出会った友達と夏休みの思い出を話したりしている。
だけど、私はそんなことをしない。
というか、話す友達が一人しかいない。
その一人は、私と仲が良いというよりも、誰とでも仲良くなれるタイプの人。
名前は、冬野 美智。
あだなは、ミッチー。
でも私はミッチーに話かけない。なぜなら、ミッチーは他の人と話しているから。
私は時々思う。ミッチーを私だけの物にしたいと。
そのためなら、同じクラスの人をどんな目にあわせてもいいと思う。
そんな時だった。
クラスの女子たちの視線が一斉に教室の戸に集まった。
祥児君の登校である。
まあ、私も祥児君をみているんだけどね。
そして、いつもなら女子に囲まれる祥児君だけど今日は違った。
なにを思ったのか祥児君は突然女子たちを押しのけ私の目の前にやって来た。
「おはよう、桐野。」
「お、おはよう。し、祥児君。」
突然の出来事に私は思わず顔を赤くしてしまった。
そしたら祥児君の回りにいた、男子たちが笑いながら
「おい、見ろよこいつ祥児にあいさつされたくらいで顔が赤くなってるぞ。」
私は許せなかった。私と祥児君の関係を笑いのネタにするのが心から。
だれであっても。許せない。許せない。許せない。。。。

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